大型ブロック積み擁壁/E・スタックウォール
1:0.5の勾配ブロックを擁壁の高さや外力に対応した最適な大きさの組合せができ、経済的な擁壁が構築できます。空積みや練り積みができ、カーブ対応も可能です。
概要
中空箱形の形状をした大型積みブロックで施工性に優れ、空積み・半練積み・練積みの使い分けが出来ます。
また、コーナーパネルを使用することで曲線部にも対応できる擁壁です。
災害の早期復旧と自然の復元に配慮したドライな工法が可能です。
特徴
1. 現場状況に応じた胴込め材・中詰め材の使用
胴込め材・中詰め材は現場状況により、現地発生土、コンクリート、栗石、砕石等の使い分けができます。
2. 胴込め材 ( コンクリート ) によりブロックが一体となった安定性の高い擁壁の構築
各ブロックの接合部分に胴込めコンクリートを打設することでブロックが一体化され、より強固な擁壁が構築できます。
また、組積みされたブロック間のかみ合わせ抵抗により土圧に対しても十分な安定性を確保しているため、
空積みによるブロック積擁壁の構築もできます。
3. 生態系保全機能に配慮した環境型ブロック
空積み・半練積み擁壁を使用した場合にブロックの内部には
栗石や砕石等を充填することで形成される空間は草木の繁茂や昆虫等に生活の場を提供します。
4. 水平段積み方式で工期を大幅に短縮
1 個当たりの製品面積が約 2 ㎡ の大型ブロックであり、
5 分勾配では水平に段積みできるため、安全性・施工性に優れ、工期を大幅に短縮できます。
5. カーブ施工対応と距離調整
ブロックの接合部分にパネルを使用することにより、型枠を必要とせずにカーブ施工や施工延長の調整ができます。
ただし、ブロック隣接部 ( パネル使用部分 ) は胴込めコンクリートを必ず打設するようになります。
用途
道路工事、宅地造成などの土留工、斜面保護工
河川、水路、ダム、海岸沿いの護岸工
治山、砂防の土留工、埋設工、法止
急傾斜地、地すべりなどの崩壊対策工
その他、自然環境保護施設関連
形状及び寸法
曲線、コーナー部も専用パネルで違和感なくスッキリします。
施工(例:半練積)
1.基礎コンクリート
基礎材を敷き均し、転圧後、基礎コンクリートを打設します。
コンクリートの設計基準強度は標準でσck = 18.0 N/mm2 とし
鉄筋を配置する場合にはσck = 24.0 N/mm2 とします。
配筋の設置方法については設計図書を参照すること。
2.1段目ブロックの据付け
基礎コンクリートの養生終了後、ブロックをクレーンで吊り上げ
基礎コンクリート上の所定の位置にブロックを設置します。
3.埋め戻し
1 段目の据付け終了後、前面は良質土で埋戻し、
背面には不透水層を設けます。
このとき、必要に応じて止水コンクリートを設けます。
4.中詰め材・胴込め材の施工
ブロック中空部へ中詰め材をブロック上面付近まで充填し転圧します。
十分に転圧したのち、ブロック接合部(隣接部)へ胴込めコンクリートを
ブロック高さの1/2~2/3の高さになるまで打設します。
5.2段目ブロックの据付け
2 段目のブロックを据付け後、必要に応じて水抜パイプや
吸出防止材を配置し、裏込材を充填します。
その後、ブロック中空部へ中詰め材をブロック上面付近まで、
ブロック接合部へ胴込めコンクリートをブロック高さの1/2~2/3の
高さになるまで打設します。
6.繰り返し施工
3 段目以降も所定の段数となるまで同様な施工を繰り返します。
注意事項
本施工要領は概略ですので詳しくは、設計図書を参照してください。
施工事例(災害復旧)
災害の復旧と自然の復元に配慮したドライな工法
空積み(中詰を現地土、栗石による早期開放)半練積み/練積みタイプの3パターンがあり現場状況によって選定致します。
大型ブロック積み擁壁/E・スタックウォール の施工事例
山口県周南市戸田
国道2号戸田地区の拡幅工事にて採用。
山口県萩市
萩から津和野に抜ける県道の拡幅工事で環境保全型のブロックとして選定される。
ブロック1個あたりの施工面積が2.236㎡と大きく、5分勾配で水平積みが出来ることから施工性とトータルコストの良さで採用。
工事年度 |
平成19年7月 |
受注番号 |
|
工事名 |
県道萩津和野線道路改良工事 |
施工規模 |
面積250㎡ |
呼び・規格 |
750型 |
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